【命日症候群は、幸せだった記憶に書きかえられた】

シングルマザーの母KARIN(かりん)です。
7年前に夫を亡くしました。

「新年を迎える事は、ないでしょう」と言われ覚悟を決めていたけれど、
自宅で新年を迎える事ができました。
お正月が終わり、病院での定期診察を受けたら

「もう限界です。入院しましょう」と言われました。
それから数週間、夫は、亡くなりました。
あれから7年がたちました。もうすぐ夫の命日です。

大切な人を亡くした人の中には、命日が近づくと体調を崩してしまう人が、
一定数います。
大切な人を亡くした喪失感から、命日が近づくと体がだるくなったり、
頭痛がおきたり、情緒不安定になったりという症状がでてくるのです。

そんな状態を「命日症候群」と言います。
大切な人と過ごした別れの季節の感覚とセットで、様々な記憶を思い出し、
その頃の心の痛みが、体の痛みに置きかわる感じ。

私の場合は、小春日和の穏やかな感覚とセットになっていたので、ここ数年は、どちらかというと幸せだった記憶という感覚に書きかえられて、
少し息苦しい感じもあるけれど、どこか懐かしい感じもあった。

しかし、グリーフケアのセラピストとして
グリーフ経験者の方の話を伺っていると多くの人達は、
命日は、何年たっても辛くてダメだという人も多い。

夫は、一回りほど年上でした。
私よりも、ずっと大人な人だと思っていました。
亡くなった夫の年齢に追いついた今年の命日を、どんな思いで迎えるのだろう。

どんなに苦しい時間になるのだろうと思っていたけれど、
7年という時間と上智大学のグリーフケア研究所のワークに参加して、
グリーフ体験と深く向き合った事で整理ができたのか思いのほか、
おだやかな気持ちで、夫の年齢に追いついた命日を迎えられそうな気がする。